ウィンストン・チャーチル
- 原田崇央
- 2018年4月7日
- 読了時間: 2分
「ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男」って酷い邦題だな。
内容としては、クリント・イーストウッド監督が「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」の2本で同じ題材を別の視点で描いたように、本作とクリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」で表裏一体みたいな感じかな。あるいは、2010年度のアカデミー作品賞に輝いた「英国王のスピーチ」と姉妹編という感じの作品かな。
ゲイリー・オールドマンは、アカデミー主演男優賞受賞も納得の演技だった。もちろん、カズヒロ・ツジの仕事も、メイク賞受賞納得の仕事だった。
そして、「ブリジット・ジョーンズ」シリーズや「劇場版ビーン」シリーズのワーキング・タイトル作品だけあって、結構、笑えるシーンも多いなと思った。通常、ワーキング・タイトル作品はユニバーサル経由の東宝東和配給で公開されるのに、本作は違うってのは、ヒットするとも、賞レースを賑わすとも思っていなかったってことだよね。結局、東宝の映画に対する考え方って、そういうレベルなんだろうな…。
それにしても、本作におけるチャーチルの行動を見ていると、嫌でも今の安倍政権やトランプ政権を連想してしまう。周囲が対話しようと動いていても強硬策にこだわるところは、安倍政権の北朝鮮政策やトランプ政権の対中貿易政策と重なるし。そして、マスコミや左派思想の人間がいくら批判しても、大半の国民は強硬策を支持しているというのも共通している。これは自分も含めてマスコミの人間ってのは世間と考え方が違うんだなと嫌でも実感する。自分なんかは、何でいまだに安倍政権が支持されているんだ?アベノミクスなんて嘘っぱちだと
分かっただろと思っているし、どこまで関与しているかはさておき、もりかけ問題は酷いだろと思うが(さすがに、日報問題は安倍のせいにするのは無理があると思う)、それでも支持率は30%以上、一部報道機関では40%以上あるんだからね。つまり、安倍もトランプもチャーチルも人の心をつかむのがうまいってこと。
本作のチャーチルの演説シーンなんて、惚れ惚れするもんな…。字幕だと分からないかも知れないが、英語で聞くと、聞き心地がいいもんな。

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