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君の名前で僕を呼んで

  • 原田崇央
  • 2018年5月6日
  • 読了時間: 4分

アカデミー作品賞にノミネートされ、脚色賞を受賞した「君の名前で僕を呼んで」を見た。 同性愛の話というだけでも、反トランプ運動につながるから、最近の賞レースでは評価されやすいのに、主人公がハリウッドの一大勢力でもあるユダヤ系なんだから、そりゃ、大絶賛になるわけだよなと思った。 アカデミー歌曲賞にノミネートされた「MYSTERY OF LOVE」は確かに良い曲だけれど、あの使われ方でノミネートされるんだから、今のアカデミー賞は反トランプにつながれば何でもいいんだなと思った。原則、フルコーラスかそれに近い状態で流れ、なおかつ、きちんと聞かせないと、アカデミー歌曲賞にはノミネートされないはずなのに、台詞や効果音とかぶさって使われ、しかもワンコーラスちょっとしか流れないのにノミネートされているんだからな。本当、最近の賞レースはおかしい。 あと、ちょっと、冗長な気がするな。まぁ、久しぶりにいかにも、ミニシアター系らしい映画を見たって気にはなったが。ここ何年もアカデミー作品賞にノミネートされるような作品はミニシアター公開のものが多いが、キャストにはビッグネームが連なっていることも多く、ただ内容が政治的、社会的、アート路線って感じのものが多いが、これは、久々にミニシアター作品って内容だった。つまり、体調が悪い時や夜勤明けで見たら、睡魔に襲われる可能性のある映画って感じかな。 とはいえ、評価したい部分もある。BLが苦手な自分でも、ちょっと官能的な気分になったからな。そういえば、主人公がアプリコットを使って自慰するシーンがあったが、思春期のボーイズが食べ物を使ってオナるのは世界共通なんだな…。 そして、音楽の話に戻るが、1983年の話だから当然なんだが、サイケデリック・ファーズの曲が使われたり、主人公がトーキング・ヘッズのTシャツを着たりといった感じで、80年代洋楽ファンには楽しめる要素が本作には結構あった。「ジュマンジ」ではサブタイトルに使われるのみならず、実際に主題歌として、ガンズの「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」が起用されたし、「パシフィック・リム」では、フォリナーの「アイ・ウォナ・ノウ」が笑える使われ方をしていたし、「レディ・プレイヤー1」では、ヴァン・ヘイレン、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ジョーン・ジェット、ジョージ・マイケル、ニュー・オーダー、トゥイステッド・シスターなんかが、コレでもかっ!って感じで使われていたし、本当、最近の映画界は80年代洋楽で育った世代が監督やプロデューサー、選曲担当として実権を握っているってことなんだろうな。 そういえば、ジェームズ・アイヴォリー作品を見たの久しぶりだな(本作は監督はしていないが)、初のアイヴォリー体験は10代の時に深夜の映画劇場で見たアカデミー作品賞候補作「眺めのいい部屋」だった。当時、エンド・クレジットも含めたノーカット放送(エンド・クレジットが微妙に短いこともあったが)で、字幕版放送、しかも、本編スタートしたらエンド・クレジット終了までCMが入らないという映画放送枠が地上波キー局であったのだが(今では信じられないな。バブリーだったんだな…)、その枠で、当時の自分には理解できず、睡魔と戦いながらも、何とか寝ずに最後まで見たってのは今でも覚えている。その後、20代になり、同じくアカデミー作品賞候補になった「パワーズ・エンド」や「日の名残り」を映画館で見た時には、こういう話も理解できるようになり、睡魔に襲われることもなく、逆にエマ・トンプソンに興味を持つようになっていたんだよな…。 まぁ、反トランプの流れに加えて、功労賞的な意味合いもあるんだろうが、脚本家としてとはいえ、本作でジェームズ・アイヴォリーがオスカーを獲得できたのは良かったよなと思う。 それにしても、女子トイレに行列が出来ていたな。80年代後半から90年代前半のアイヴォリー人気が高かった頃に、BL作品「モーリス」などのアイヴォリー作品に夢中になったようなオーバー40、50世代だけでなく、最近のBL系アニメが好きそうな20代も結構いた。自分は全く興味ないが、BL人気って、昔も今も高いんだなと思った。アカデミー作品賞ノミネート作品が劇場公開されたら、とりあえず見たいってだけの自分だが、彼女たちからすると、そっち方面が好きな人に思われてしまうのだろうか…。


 
 
 

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