50回目のファーストキス
- 原田崇央
- 2018年6月9日
- 読了時間: 2分
福田作品が好きな自分でも、本作は評価できないと思った。つまらなくはないし、福田組の常連と長澤まちゃみでなかったら、こんな突っ込み所満載の作品を邦画として成立できないとは思う。でも、オリジナル版と比べてしまうと、どうしても、批判的になってしまうかな…。
アダム・サンドラー&ドリュー・バリモア主演のオリジナル版は、映画館で3回も見た上に、DVDも買っているし、サントラも買っているからな。個人的には、この作品が日本公開された2005年のナンバー1ムービーにしているくらい、思い入れがあるからな…。
ダメな点としては、いくつか挙げられるが、まず一番大きいのは、日本人キャストでリメイクしているのに、舞台がオリジナルと同じハワイってことかな。まぁ、日本でこんな話を成立させるのは難しいというのは百も承知だけれど…。沖縄がかろうじてって感じだろうが、色々な事情を考えれば、ハワイが舞台ってのは仕方ないのかも…。
そして、メインが日本人キャストになったことによって、人種や同性愛、体型とかに関するジョークが差別的に見えてしまうんだよね。オリジナルでは同じ米国人でありながらも、米国社会ではマイノリティー同士のユダヤ人とハワイ系住民だから、そういうジョークも成立したけれど、日系ハワイ人ではないハワイ在住の日本人がハワイ系住民に関してジョークを言うと、どうしても、見下しているように見えてしまうんだよね。
それから、本作の一番ダメな点は、オリジナル版のアダム・サンドラーには、髪型や服装からオタク臭というか、童貞臭というか、負け犬臭というか、そういうのが漂っていたが(アダム・サンドラーって髪型とか服装のせいで、そう思われないが、実はイケメンなんだよな…。そういえば、出身国は違うが、チャールズ・チャップリンもジム・キャリーも実はハンサムなのに、そう見えない。あるいは見せていない。これって、ハリウッド・コメディアンの伝統なのかな?米国ではイケメンはつまらない男と見られてしまうってこと?)、山田孝之だと、最初からイケメンだからな…。勿論、彼のオタクな部分は誰もが知っているし、時々、汚れているけれど、見た目に関していえば、イケメンの部分を消し去ってはいないからな…。日本では、こういう女子受けする要素がないとダメなのかもしれないが、何気に、これが作品をダメにしているんだよな…。

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