検察側の罪人
- 原田崇央
- 2018年9月13日
- 読了時間: 4分
やっと、検察側の罪人を見た。 ネトウヨ思想に共感していると自覚している人。あるいは、自分はネトウヨではないと思っているが、安倍政権を批判するマスゴミは反日・在日だと思っている。そういう人は、この映画を見ると怒り狂うだろうなと思った。 ネトウヨ化する政財界に懸念を示す議員がスキャンダルによって自殺を余儀なくされる。しかも、その葬儀のシーンでは新興宗教的描写が出てくる。そして、自殺する場所はウヨ思想のもと経営されているビジネスホテル。警察・検察のストーリー仕立ての捜査への批判。マスコミに対しても、世界的に見て、自由度が低い、捜査機関や政治家の言いなりと批判。何度も繰り返されるインパール作戦のエピソード。誕生日占いで性格を非難されるドナルド・トランプ。 どう見ても、反安倍・反トランプの映画だよな。捜査機関やマスコミへの批判も、その流れでしょ。葬儀のシーンは、公明批判、あるいは、ウヨ思想を出している幸福の科学あたりへの批判か。ビジネスホテルはどう考えても、アパでしょ。 その一方で、キムタク演じる検事の妻が二胡を弾くシーンがあるなど、親中的?と思ってしまう箇所もあるから、多分、ネトウヨ思想の人、あるいは、安倍政権支持者は、この映画を見ない方がいいと思う。 この作品のメガホンをとった原田眞人という監督は、海外かぶれだから、そうなるのも分からないでもないんだけれどね。 オープニングのクレジットの出し方なんて、ハリウッド的な出し方だからな。そのくせ、エンド・クレジットは、役名は出さず、役者名のみの表記という邦画流なのは謎だが。
あと、カメラ割りとかサイズとか編集は、ハリウッド寄りなのに、画面は伝統的邦画の暗さなのも謎。最近の邦画は、テレビ局映画とかキラキラ青春映画を中心に、洋画なみの明るさになっているが、こういうところは邦画の伝統なのも謎だ。 そういえば、この映画といえば、キムタクとニノの演技が売りになっているが、キムタク、いつものキムタクだったぞ。まぁ、ネタバレになるので、多くは語らないが、瞬きせずにはいられないほど、驚くシーンはあったが…。この役は、SMAP解散騒動で自身についた悪のイメージを逆手にとったって感じもするので、そういう面では評価したくなるのは分かるかな。それにしても、SMAP解散騒動の直前・直後は、キムタクもオッさんになったなと思っていたが、本作を見ると若返っているよな。騒動に伴う色々が落ち着いたからかな?本当、団塊ジュニアって、年齢不詳な人が多いなと思う。
あと、ニノの演技も、途中までは、いつものニノじゃんと思っていた。正直、この人が演技派扱いされるのに理解できないこともあった。硫黄島の頃は、演技力あると思っていたが、正直、ワンパターンだなと、最近は感じていた。でも、途中からは、確かに本作の演技は評価すべきだなと思った。
ただ、本作の俳優陣の演技でいえば、どうしても、酒向芳に目がいってしまうよな。予告でも流れている謎の奇声?が何故、そういうことをするのかは何も提示されないし、それを、何故、ニノが真似するのかも分からないが。まぁ、日本アカデミーは無視するかもしれないが、他の賞では評価の対象になりそうな気はする。 とりあえず、マスコミは、ネトウヨには反日・在日扱いされ、パヨクには権力の犬と批判される。全く逆の評価で両サイドから文句言われる、我々マスコミって一体、何?って思う。 まぁ、ネトウヨはジャニーズ映画は見ないから、これを見て、発狂することもないのかな…。実際、検索しても、そんなに、検察側の罪人を反日とか在日とかパヨクとか言っているのが出てこないからな。 そういえば、最近、原田眞人作品にはジャニーズの出演が相次いでいるな。まぁ、左翼って排外主義=外国人や海外文化を見下す連中が多いし、ジャニーズタレントにも、そういう上から目線のが多いから、左翼映画とジャニーズって、相性いいんだろうなとは思ったりもした。 ところで、これを書いていて思ったが、俺って、右と左がぐちゃぐちゃに混ざっているよな…。

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