search/サーチ
- 原田崇央
- 2018年11月3日
- 読了時間: 3分
「search/サーチ」を見た。原題がsearchingなのに、邦題を英語表記のsearchにする意味がよく分からない。確かに邦題では、冠詞・定冠詞、複数形、進行形などがカットされることは多い。だったら、ただのカタカナのサーチだけでよく、英語のsearchはいらないのではと思った。
ほぼ、全編PC画面の再撮風で進行する作品で、しかも、自分が本作を見に行ったシネコンでは、プレミアムシアターと名付けられた広めのスクリーンで上映されていたので尚更感じるが、こういう作品が映画館で上映されて、ここ最近、米映画賞レースやベネチアなどの国際映画祭を賑わせているNetflix映画が劇場公開されない(米国では賞レースのノミネート資格を得るために限定公開はされているが、日本では公開されない…)のは、何か逆だよなと思う。
というか、映画の規定って何なんだろうと思う。昔はフィルムで撮り、映画館でフィルムで上映するものとざっくり言えたかも知れないが、今はフィルムで撮影・上映の映画なんて、ほとんどないし。
それに、映画館で見るのが映画っていうのなら、ソフトやテレビで見たのは映画観賞にならないのかって話にもなるし。
全米大ヒットでも、日本では劇場公開されずに、ソフトやテレビで日本初公開って作品も多いし、逆に、海外ではテレビやソフト向けに作られた(まぁ、限定的な上映はあったりするが)作品なのに、日本では劇場公開される作品もある。(特にドキュメンタリーとか音楽もの)
それに、スクリーンで上映されたといっても、映画祭とか試写会、イベントのみの上映ってのもある。
もう、映画に対する古い定義は捨てるべきなのかな…。まぁ、自分はスクリーン上で見るのが好きで、テレビやPCとかで見るのは、目が疲れるから、あまり好きではないのだが…。
それにしても、本作はアジア系が主役とはいえ、典型的なアメリカのサスペンス映画だな。まぁ、伏線ははってある方だとは思うが、何しろ、PCやスマホの検索で新たな情報が提示されるんだからな。昔のアメリカのサスペンスは、新聞や資料ファイルの検索で事実やそのヒントが明らかにされていたのが、今はネットやSNSに変わっただけという…。その辺が英国や日本のミステリーとの違いなのかな…。
ネットといえば、Google、Facebook、Instagramなど、企業名やサービス名が海外作品ではきちんと実名で出るくるので、リアリティがあるよな。日本の映画やドラマ、アニメなんかは使用許可を取るのが面倒なのか、使用料を払う金がないのか知らないが、まがいものみたいな名前が出てくるからリアリティがないんだよな。
ところで、全編がPCやスマホの画面の再撮で進行するということは、主人公の顔はウェブカメラを通じたものということになるのだが、そんなに、一日中、ウェブカメラなんて繋いでいるのか?自分なんて、ほとんど使ったことないぞと思った。
でも、よく考えたら、最近、「あなたのパスワードを把握している。メールアドレスを乗っ取ることができる。ウェブカメラを通して監視している。バラされたくなければ、仮想通貨で振り込め」みたいな怪しげな日本語もしくは英語で振り込め詐欺みたいなメールが来るってことは、海外ではウェブカメラを繋ぎっぱなしの生活が普通なのかもな。ハイテク大国とかって言われた日本って、アナログな後進国になってしまったのかな…。

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