華氏119
- 原田崇央
- 2018年11月9日
- 読了時間: 3分
今日見るのにふさわしい(たまたまだけれど)ドキュメンタリー映画「華氏119」を見た。
トランプ批判をしない文化人・芸能人はバカ扱いされる。だから、矛盾だらけのMeTooやBLCK LIVES MATTERといった運動に賛同しないといけない。
そんな嫌な空気が蔓延している最近の米国の風潮の流れで作られた、ヒラリー賞賛映画でしょ?そういう内容なら思い切り批判してやろう!という気分で見たが、意外とバランスが良かった。
単なるトランプ批判ではなく、ヒラリー批判もしているし、というか、トランプやヒラリーのような連中が大統領選を争うことになったのは、オバマが酷すぎたからだっていうのが一番言いたいことのようにも感じた。あと、マイケル・ムーアがブッシュ家を相変わらず嫌いなことはよく分かった。
そして、安倍政権が嫌い、あるいは自民そのものも嫌いという人の中に、野党も支持できないという人が多い理由が分かる映画だと思う。
自分はネトウヨでもパヨクでもないが、作中でトランプに対してマイケル・ムーアが言っていることって、ほぼ全て、安倍にも当てはまるなと思った。株価や大企業のことは考えているが、一般市民のことは眼中にないとかね。というか、大国のリーダーのほぼ全員そうだが。
それにしても、本作の冒頭で、レイチェル・プラッテンの「ファイト・ソング」が何度か流れるが、彼女って、この曲がヒラリーの選挙戦のキャンペーン・ソングに使われたせいで、そして、そのヒラリーが敗れ、ヒラリーのマイナス面も周知の事実となったおかげで、一発屋になってしまったかわいそうなアーティストでもあるよな。
まぁ、全体としては久しぶりに笑えるマイケル・ムーア映画になったなとは思ったが、14年前の前作「華氏911」ほどの出来ではなかった。音楽の使い方も面白い箇所はあったが、前作ほどのキレはなかったな。
前作は、たまたま、海外に行った時に上映中で(日本公開前)、現地のリアクションを見たくて、現地の映画館で見たし(空いていて、あまり意味はなかったが)、日本公開時にも見て(これは混んでいた)、さらに、DVDも買い、サントラ盤も買い、主題歌として使われたニール・ヤングの「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」(いまや、エア・ギターのテーマになってしまったが…)の映画音声入りバージョンのCDシングルまで買うくらい好きだっだが、今回はそこまでの出来ではないな。
まぁ、前作に続いて、ブッシュ家批判はしていたが…。
ところで、明らかにマイケル・ムーアが犯罪行為をやっているシーンがあるのだが、逮捕されないのか?これがOKってことは、結局、マイケル・ムーア作品って、ドキュメンタリーというよりかは、日本でもおなじみの情報バラエティなんだろうな…。

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