キングダム
- 原田崇央
- 2019年5月4日
- 読了時間: 3分
面白いか面白くないかと聞かれれば、面白いと答えるし、前半はしょぼく見えた画も後半はスケール感が出ていたと思うが、いかんせん、日本人キャスト・スタッフで作られているので、中国が舞台の話に見えない。これが最大の難点だ。
ハリウッド映画で日本人役を中国人が演じることに文句を言う人は、キングダムの登場人物を日本人が演じていることも批判しないとおかしいよな。でも、そういう人に限って、日本の原作だからって擁護するんだよな。
同じ人種問題がテーマの作品なのに、監督も主演も黒人じゃないからといって、文句を言うスパイク・リーと一緒。思想の左右関係なく、映画やドラマの配役で人物差別を主張する人間は自分が差別主義者で単なる、自分たちの推す勢力が選ばれなかったから嫉妬しているだけなんだよな。というかワガママ。
それから、東宝との共同とはいえ、ソニー・ピクチャーズ作品、つまり、ハリウッドの資本が入っているということで、音響が日本映画とは思えないほど、高レベルだった。
それにしても、コミック・アニメの実写映画化には酷評される作品も多いが、長澤まちゃみの出ている映画は何故か、原作と離れていようといまいと、すんなり受け入れられるんだよな。なので、キングダムは楽しめた。まぁ、元々、彼女の出演映画は突っ込みどころ満載の作品が多いから耐性が出来ているというのもあるが…。
それから、ハシカンが少年役というのは、あの声を使った良いキャスティングだよな。
そして、エンド・クレジットが主題歌だけでは足りず、スコア曲も流れるって、ハリウッド映画みたいだなとも思った。きちんと、人手に金を払えば、クレジットは1曲分では足りないってことなんだろうな。つまり、いかに通常の邦画はノーギャラのエキストラとかボランティアに頼っているかが分かる。
主題歌といえば、最近、ネット上で、ワンオクの楽曲はレベルが高いのに、米国でヒットしないのはアジア人差別だみたいな主張をしている意見を読んだことを思い出した。そんなことはないぞ、K-POPはラジオではかからないかもしれないが、ストリーミングやセールスではヒットしているんだし。
ワンオクが米国でヒットしないのは、米国では古くさく思われるようになった音楽をやっているからだよ。ブレイクしてから1つ前のアルバムまでくらいはぶっちゃけ、00年代前半の米国ロックのパクリみたいなサウンドだし、最新作は5、6年前ならヒットしたかもねって音だからね。
というか、そもそも、米国ではロックのヒット曲は出にくくなっているし。K-POPはEDMやヒップホップに寄った曲が多いから米国では受け入れやすいんだよね。

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