居眠り磐音
- 原田崇央
- 2019年5月25日
- 読了時間: 3分
普段、時代劇映画を見に行くと、自分より若い観客がほとんどいないことが多いが、最近、この映画を見たいというマスコミ関係者ではない20代前半女子がいて、不思議に思っていた。でも、見たら理由が分かった。 最初は、彼女の話を聞いて、ジャニーズやEXILE一族がメインキャラを演じているわけでもないのに何故?るろ剣みたいなコミック・アニメ実写化でもないし、トーリはそんなに引きないよね?と思っていた。
でも、実に作りがテレビ的で分かりやすいんだよね。日テレ映画ってのもあるんだろうけれど。登場人物には丁寧に、一人一人、名前と肩書のスーパーが出るし、その時点ではまだ登場していない人物に他の人物が言及した場合は、わざわざ、その人物の顔がインサートされるし。(個人的には、映画としてはどうなのよ?って思うつなぎだとは思うが)それに、回想やナレーションも多いし、実にテレビドラマ的だよなと思った。
それから、一番、若者に興味を持ってもらえる要因だと思ったのは画面が明るいことかな。時代劇映画って、古き良き撮影法を頑なに守っているのかなんだか知らないが、画面は暗いし、ヒキの画が多いし、しかも長回しも多いから、何が起こっているか、誰が出ているのか、よく分からない時もあるしね。 でも、本作は画面は明るいし、ヨリも多いし、カット割りもテンポあるからね。
ただ、女子受けを狙ったせいか、映画として、時代劇としては不満な点も多かった。 まず、居眠り感がないんだよね。弱そうに見えるのに実は強いって感じがちゃんと出ていない。あと、クライマックスが対決ではなく、花魁になった元許婚との一瞬の再開というのは女子狙いな気もした。
そして、花魁との結ばれない恋って、「JIN-仁-」っぽいよな…と思ったら、この映画の主題歌もMISIAが歌っていた…。
それにしても、この映画、最近の朝ドラ出演者だらけだな…。 松坂桃李、柄本佑、芳根京子、佐々木蔵之介、谷原章介といった感じで…。 それだけ、時代劇に出られる演技が出来る俳優ってのが少なく、過酷な現場で長期間にわたり、しかも、メインキャラであれば、少年少女時代から高齢者まで演じるわけだから鍛えられているってことなんだろうな。 そういえば、佐々木蔵之介の役が佐々木道場の先生役で面白かった。
ちなみに、自分がこの作品を見たかった理由の一つが南沙良。去年公開の「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で気になり、出演映画の公開を待ちわびていた。 でも、その後の出演映画は、期日限定上映とかレイトショーとかで見に行くことができず、ずっと、トホホな感じを味わっていた。 それで、やっと、きちんと公開される作品が出たわけだか、出番少なかった。あと、申し訳ないが、時代劇に出るほどの演技力はまだなかった…。

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