ホットギミック ガールミーツボーイ
- 原田崇央
- 2019年7月6日
- 読了時間: 3分
東映配給作品。
つまり、立派なメジャー映画だが、テアトル新宿とか新宿武蔵野館で上映されるミニシアター系邦画みたいな作品だった。
人気アイドル主演作品なのに、キスシーンも多いし、セックスと言わせるし、飲酒シーンもあるし、未遂とはいえデートレイプの描写もあるし、裸は直接見せないものの服を脱いでヌード自撮りを送信するシーンまである。さらには近親相姦まである。よく許可が出たものだと感心する。 女性監督作品だから、男の監督よりくどきやすかったのか?
ぶっちゃけ、エロい! 園子温作品レベルのエロさだ! これを10代が見るキラキラ映画扱いで公開していいのか?
それにしても、最近の日本の映画やドラマはチキンになって、未成年の飲酒や喫煙シーンを描かないが、実際は未成年で経験しているの多いんだから、きちんと描くべきなんだよね。なので、この作品には感心した。
あと、路上の会話シーンとかだと、普通はアップで撮った俳優の顔が通り過ぎる車で隠れるなんてのは避けるが、あえて、それを採用しているのはリアルな感じが出ていて良いと思った。 それから、矢継ぎ早に繰り出されるセリフをテンポよくカット割りし、なおかつ、セリフの間をあけずに次から次へとつなぐ編集も登場人物たちの苛立ちを表現していて良かった。
古臭い考えのPだと、編集がなっていないとか、耳障りとかって文句言いそうなつなぎだけれどね。
まぁ、未央奈の演技は微妙だが…。
ただ、批判したい点もある。
原作は知らないが、少なくとも、映画版の舞台は豊洲になっている。 でも、この映画、東京が、下町が舞台の作品には見えないんだよな…。見慣れた景色が出てくるにもかかわらず…。
登場人物たちが、放課後とか夜遊びとかで訪れる渋谷のシーンは、東京が舞台の映画に感じるんだけれど…。
ぶっちゃけ、大量生産されている通称・キラキラ映画でよく舞台になる郊外とか地方都市にしか見えない。 それだけ、豊洲って街が人工的に作られたテンプレ的な街、似非都民が集まる街ってことなんだろうなと思う。
そして、上記同様、この映画に下町感がない、違和感を抱く要因ともなっているのが、登場人物が、やたらと幼馴染という言葉を連発することなんだよね。 この手のキラキラ映画やそのもととなるアニメやコミック、ラノベなんかでは、幼馴染設定というのは定番だけれどさ、下町の10代には幼馴染という感覚はないよ。それは、郊外とか地方の発想。
今は学区とかの区分けが緩くなったけれど、それでも、基本、下町では小学校や中学校の時は、全校児童・生徒の自宅は徒歩で移動できる範囲にあるからね。つまり、全校児童・生徒が幼馴染みたいなものなんだよね、下町は。 この作品の監督は、東京の下町育ちではないから、そういう感覚は知らないとは思うけれどね。
なので、下町民としては、非常に不自然な映画だった。作品全体としては褒めるべき点も多いだけに残念。

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