ミュウツーの逆襲 EVOLUTION
- 原田崇央
- 2019年7月14日
- 読了時間: 3分
劇場版ポケットモンスターとか、ポケモン・ザ・ムービーとか、ピカチュウ・ザ・ムービーとか、
そういう肩書き?がなく、タイトルはただの「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」なんだ…。
ファミリー層以外もターゲットにしているってことかな?
ただ、コピー、クローン問題を描いたミュウツーの逆襲がリメイクされるって、
作品のテーマと矛盾しているような気もする…。
というか、そのコピー、クローン問題ってエヴァと共通するなと思った。
今までエヴァとポケモンはテレ東くらいの関連性が思い浮かばなかったが…。
オリジナルを超えたコピーというのは、80年代の日本だし、
現在でいえば、その日本を超えた中国や韓国なんだろうなというのも考えてしまった。
それから、911後の米国映画でよく描かれるようになった復讐の連鎖を、本作のオリジナル版は
911よりも前に描いていたんだなと感心した。
意外とポケモンって社会派なんだな…。
ところで、本作におけるCGリメイクを批判する声が多いが、本当、日本人って、
というか、ディズニー・ピクサー、イルミネーションはヒットしているんだから、
日本人というよりかは日本のオタクのCGアレルギーって強いんだなと実感する。
まぁ、本作のCGは海外作品に比べると安っぽいけれどね。
本来はCG化は働き方改革になるはずなのに、
日本のアニメ業界は低賃金の無休労働で成り立っていたから、
きちんと時間管理をした労働環境にすると余計、金がかかり、
CGより手書きの方が今まで通りでいいやってなるんだろうな。
アニメ業界に限らず、日本の職場すべてに通じる問題だな。
だから、日本は後進国になってしまったんだよね。
CGリメイクした理由としては、今が新規ファンを獲得するタイミングってことなのかな。
今までにもポケモンは何年かおきにリニューアルして盛り返すってのを繰り返しているが
ポケGO登場以降、新たな波が来ているってことなんだろうな。
去年、おととしの劇場版はそういう流れで作られていたと思うが、
そこへ来て、実写映画「名探偵ピカチュウ」が公開されたのが大きいのかな。
日本のオタクはいまだに手書きにこだわるが、若い層にはそういうのないしね。
そして、何より、海外展開を考えたらCGしかないしね。
日本のアニメが海外で人気なんて、捏造に近いからね。
確かに、アカデミー賞など海外映画賞には毎年のように、
日本やフランスなどの非CGアニメーションがノミネートされているけれど、
全米興行収入は地味な数字しか出せないしね。
2000年以降の手書きの長編アニメーションで全米興収1億ドルを突破したのって
米国産ですら、リロ&スティッチやシンプソンズの劇場版など数えるほどしかないからね…。
それに、アカデミー長編アニメーション賞もなんだかんだいって、非CG作品はノミネート止まりなんだよね。
同賞が制定されて以来、18本の受賞作品があるが、16本はCGアニメなんだよな…。
(残りの2本が日本の手書きアニメの「千と千尋の神隠し」と英国の粘土アニメ「ウォレスとグルミット」)
だから、海外展開を考えればCGになるよね。
別にオタク向け作品ではないのだから、この先老いていくだけの日本のオタクの声なんか無視するのが、
正解なのかな。
ただ、米国ではテレビアニメの劇場版が毎年公開されるって慣習はないからな…。
シンプソンズやサウスパークですら劇場版は1本しか作られていないし…。
果たして、海外で本作が成功し、今後の劇場版もCGになるのか、
それとも、本作はリメイクということで番外編だから今回だけCGでやったということにするのか。
どうなるんだろう?

Comments