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ライオン・キング

  • 原田崇央
  • 2019年8月11日
  • 読了時間: 5分

超実写版?と呼ばれているリメイク版?「ライオン・キング」を見た。 以下、気になったことを列記。 「盗作問題」 ネトウヨ的視線を持ったメディア、ニューズウィーク日本版(オリジナルは反権力なのに日本版は何故、ネトウヨ思想なのか…。日本で雑誌を読むのがネトウヨ思想の中高年しかいないからか?)が25年前に起きた手塚治虫の「ジャングル大帝」をディズニーがパクったという疑惑騒動をまた持ち出してきたが、25年前にこの問題は不問になっているんだよね。

何故なら、手塚自体がディズニーに大きな影響を受けていて、ぶっちゃけ、ディズニーに許可を得ずに勝手にディズニー映画をコミック化するなど、要はパクリをやっていたからなんだよね。

当時はネトウヨなんて概念はないが、今のネトウヨに近いような、そういう偏った思想の連中はディズニーを訴えろとけしかけていたが、手塚側が訴えなかったのは、逆に自分たちが不利になることが分かっていたからなんだよね。

そりゃ、一般のアメリカ人と違って、ディズニーのアニメーターには、手塚作品を知っている人間はいるだろうから、無意識のうちに、似たような描写をしてしまった可能性は大いにあると思う。

でも、パクリではないと思う。

そもそも、権力を持つ一族が身内で派遣争いをし、殺傷をするという話は当時、ディズニーが影響を受けたと言っていた「ハムレット」を例に出すまでもなく、昔からよくあるストーリーだしね。 というか、「ジャングル大帝」は人間のキャラクターも多数出てくるが、「ライオン・キング」は動物しか出てこないから、パクリと言うには無理があるんだよ。 「ライオン・キング」をパクリと呼ぶ連中は多分、アニメでもコミックでもなんでもいいが、「ジャングル大帝」を見たり読んだりしたことないんだと思う。当然、「ライオン・キング」も見ていないと思う。 ちなみに、自分は当時、ADチーフになりたてかなんかの立場で、Dなしで手塚プロに取材に行ったが、その時、手塚側ははっきりと訴えるつもりはないし、パクリとも思わないと言っていたしね。その時、手塚プロから原作全巻を借りて読んだけれど、自分は全くディズニーがパクったとは思えなかった。 その後、手塚プロが「ジャングル大帝」を再アニメ化するという明らかに「ライオン・キング」の便乗とも言われかねない行為をしたから、尚更、手塚側は分が悪いと思う。 「麻生の漫画好き設定」 麻生は総理大臣だった時代に東京国際映画祭の開幕の舞台挨拶に立ち、日本のアニメがいかに世界に影響を与えているかについて語った。その時、麻生は「手塚治虫の“ジャングル大帝”はディズニーの“ライオン・ドッグ”(本人の発音に忠実に表記すると“ライア〜ン・ダァ〜ッグ”)に影響を与えた」と発言したんだよね。この時思った。麻生の漫画好き設定は、今でいうところのネトウヨ思想を持った連中に好かれるための作戦かと。

まぁ、他の政治家に比べれば漫画を読んでいるのは事実だろうが、大好きアピールはウソだなと思った。

そもそも、ライオン・ドッグって何だよ?ライオンはネコ科だろ!猫で犬なのか?何だそれ?

「超実写化」 果たして、本作は実写映画化なのか、CGアニメーションなのかという問題だが、見ている間の感覚は、やっぱり、CGアニメーションを見ているって感じだったな。 同じ監督の「ジャングル・ブック」は動物はCGだったが、主人公は生身の少年だし、一瞬だけれど、大人の人間も出てきたから、実写映画化だと思う。 一時期、ロバート・ゼメキス監督が連発していた「ポーラー・エクスプレス」や「クリスマス・キャロル」などのモーション・キャプチャー作品は、動きは人間だが、完全に画面は絵で覆われているのでアニメーションだと思う。 逆に同じモーション・キャプチャー演技でも、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや「猿の惑星」シリーズのアンディ・サーキスの演技は実写作品の演技であり、彼が演じたキャラクターはアニメキャラとかCGキャラという感じは抱かない。作品そのものが実写作品だし。 そういう意味では、同じディズニー作品である「ダイナソー」に近いのかな。まぁ、アレはキャラがCG、背景が実写の加工という作品だったが。

「本作の思想」 よく考えると、オリジナルも含めて「ライオン・キング」には、「サークル・オブ・ライフ」という思想と、「ハクナ・マタタ」という思想が描かれているが、これって、矛盾しているんだよな。

「サークル」は悪くいえば、偽善的というか、エリート側の言い訳というか。

逆に「ハクナ」の方は、エリート批判というか、「お前らエリートは理想ばかり語っているが、矛盾だらけだし、そもそも、上から目線なんだよ」ってメッセージを感じるんだよな。

今の過度なポリコレ主義のディズニーで、よく、リベラル批判にもつながるようなメッセージがそのまま、入れられたなと感心する。最近のディズニーはやたらと、ポリコレを意識して、実写版「アラジン」にしろ、今後公開される実写版「リトル・マーメイド」にしろ、「スター・ウォーズ」にしろ、何にしろ、おかしな方向に行っているが、この作品はそこまで行っていないのは好感持てるな。

「楽曲」 そういえば、「サークル・オブ・ライフ」は日本でも人気曲だが、「愛を感じて」って、あまり、日本では人気が高くないよな。 アカデミー歌曲賞を受賞したのも、全米チャートで最もヒットしたのも、「愛を感じて」なのにな…。 オリジナルのアニメーションは米国では90年代のディズニー・アニメーションでは最大のヒットになったが、日本では、「アラジン」を下回る成績に終わったからな…。その辺もあるのかな。

確かに動物しか出てこないから、日本では「アラジン」のようにカップル向けにならなかったってのもあるんだろうけれど。 日本では、ディズニー・アニメーションよりも劇団四季の舞台で人気になった(プラス大西ライオン)部分が高いから、「サークル・オブ・ライフ」の方が人気あるんだろうな…。 それにしても、ビヨンセの新曲はいらなかったな。フルコーラスで流れないし…。

黒味バックのエンド・クレジットに流れるだけだが、エルトンの新曲の方が存在感があった。 まぁ、今のアカデミー歌曲賞では、ちらっとしか流れない曲や、黒味バックのエンド・クレジットに流れるだけの曲は無視するから、どちもノミネートはされないとは思うが。


 
 
 

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